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2017年3月19日日曜日

「大人はわかってくれない」なんて言ってられない、シンプルに”生きる”力を魅せてくれる映画「あの子を探して」*

ALOHA!
また長すぎるタイトルですがf^ ^
今日は珍しく映画の感想です*
最近の映画ではありませんf^ ^
しかもハワイアン映画ではなくて中国映画です(笑)
「あの子を探して」(1999年 チャン・イーモウ監督作品)

チャン・イーモウといえば、中国を代表する映画監督さんの一人。
北京オリンピックの開会式と閉会式を演出した監督さんとしても有名ですね*
2000年代に入ってからは、「HERO」とか「LOVERS」みたいな、ド派手なワイヤーアクションを使ったエンターテイメント作品が多いイメージかもしれませんが(そういうのも私は好き笑)
90年代までは、割と叙情的で人間愛に溢れた映画も作られているんですよね^ ^*
チャン・イーモウの叙情系作品は、エンターテイメント系とまた違った映像美で魅せてくれるのですが、その中でも異色の、でも私はいちばんステキかも、と思ったのが、上記の「あの子を探して」という映画です。

中国の田舎の農村を舞台に、突然臨時の教師として小学生を教えることになってしまった、13歳の少女が、出稼ぎに出てそのまま行方が分からなくなった生徒を探すため、街に出て行くお話*
出演者さんはほとんど素人ばかりで、台詞もアドリブ中心なのですが、それだけに農村で暮らす中国人の「素」が表れていて、すごく面白い*

自分もまだ子どもなのに、突然小学生に授業を教えてほしいと言われ、連れてこられたヒロイン。
(承諾した理由はもちろんお金。)
代理として1ヶ月先生を務める間、誰も生徒をやめさせなかったら、報奨金をあげると、最初から守る気もないのにヒロインに約束する大人たち。
それを信じて、そのために生徒をやめさせないために必死なんだけど、そもそもあまり教える気もないし、お金さえもらえたら良いと教えるのは適当なヒロイン(笑)
出稼ぎでいなくなった生徒を探しに行く理由も、最初は報奨金がもらえなくなるからみたいで、でもなぜか生徒たちはヒロインのいうことを聞くようになり、街まで探しに行くのに必要なお金を稼ぐのに、協力ちゃんとするんだよねf^ ^
でも何せ生徒も先生も田舎の子どもだから、考えることもやっぱり子ども。
勝手に頼まれてもいない仕事を手伝って、お駄賃をもらえなかったら、めっちゃ請求する(笑)。
街に出た先で出会った同世代の子も、生徒を探すのを手伝ってくれと頼んだら、その時間の間は働けないからお金くれるならと、また請求(笑)。

こんなにお金、お金、というのって、今の日本が恵まれているから、というのも大きいと思うけど、お金のことを露骨に話さない文化の日本人からすると、ちょっとカルチャーショックかもしれません。
でも日本も半世紀ちょっと前までは、食べるのも生きていくのも必死という時代が普通にあったんですよね。
お金がないと生きていけない、だから子どもでも、堂々と見栄も恥じらいもなくお金を請求する姿に、シンプルな生きる力、たくましさを感じました。
大人にだまされたり、子どもだからって真剣に取り合ってもらえなくて、軽く扱われても、グレたり、それがトラウマになって精神的にまいってしまうとかなくてf^ ^本当に「生きる」ということをシンプルにとらえているんだなぁ*
これがもっと前の、1950年代に、「大人はわかってくれない」なんてタイトル通りの映画を作ってしまうヨーロッパ圏との違いは何なんだろう。

最初は報奨金がもらえなくなるから、必死に生徒を減らさないようにあの手この手を使っていたヒロイン。
まだ子どもだから生徒を探すためにどうしたら良いのか、考え出す手段も本当に子どもらしいのだけど…
普通だったらあきらめちゃうかもしれないところを、あきらめずに探し続けるヒロインの根性というか、粘り強さというか、に脱帽。
途中からお金じゃなくて、ここまで探しているんだからあきらめられないとか、本当に生徒が心配になってきたのかもしれません。
あるいは、生徒を探し出すことが、自分の使命で途中で投げ出すなんて絶対できない、と彼女は思っているんじゃないかな。
周りの大人の思惑とか、そんなものに惑わされずにただひたすら自分なりのやり方で、自分なりにもてる知恵で、生徒を探し続けるヒロインの姿に、なんだか「本気で生きるってこういうことかな」と感じてしまいました。
ヒロインがテレビを通して「どこにいるのよ」と問いかける時、色んな思いが混じっているかのように思わず涙を滲ませる姿は、こちらもウルっときます*
ヒロインも子どもたちも、村民や街の大人たちも、みんな特別できた人でも素晴らしい人でもなく、ありのままの姿で演じていて、そのありのままの姿が、なぜか「生きる」ことのエネルギーを与えてくれる。

今日のマナカードのメッセージ「ありのままの子どものエネルギーに気付く」ということとも、なぜかリンクしていて、「あぁ、生きるって本当はこんなシンプルなことなんだよね*」と、気付かせてくれた、そんな映画でした。

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